1998-07-10 ArtNo.15656
◆<印度>TISCO、カルヤニのシームレス鋼管買収検討
【カルカッタ】タタ・アイアン&スチール・カンパニー(TISCO)は、Baba M. Kalyani一族に率いられるBaramatiグループ傘下のKalyani Seamless Ltd(KSL)を買収する得失を検討している。
Tiscoは赤字経営のシームレス鋼管部門を閉鎖後、KSLと後者製シームレス鋼管の国内販売(輸出/契約生産/入札を除く)の独占契約を結んだ。KSLのプラントは主要市場の西部インドを掌握する戦略的立地条件を備えているだけでなく、マンネスマン・デマーグ製のピアシング・ユニットは世界的にも最先端のものである。
とは言えTiscoは、KSLの60クローにのぼる累積赤字を引き受けることは望まず、このため鋼管ビジネスにおける合弁も選択肢の1つと見られる。
Tiscoの鋼管部門は過去5年間にわたり赤字経営を続けてきたが、スタンダード・パイプ部門は昨年既に黒字に転換、プレシジョン・チューブ部門も今年末には僅かな黒字が見込める。赤字の根元とされてきたジャムシェドプルのシームレス鋼管部門が閉鎖されたことで、1998/99年度には、鋼管部門全体を通じて黒字を実現できる見通しだ。同部門は1997/98年度には18クローの赤字を計上していた。
Tiscoの鋼管部門はマハラシュトラ・シームレス、ジンダル、カルヤニ・シームレス等の国内同業者との競争に加え、独立国家共同体(CIS)諸国や南アフリカからの輸入品の脅威に晒されてきた。しかし石油/ガス・パイプライン・プロジェクトが全国的に展開される中で、国内需要の急増が予想されると言う。(TH:7/9)
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