SEAnews 1998-07-08 ArtNo.15618

【シンガポール】益々多くの文書がデジタル化される中で、シンガポールの情報技術(IT)研究機関ケント・リッジ・デジタル・ラブズ(KRDL)は機密文献の安全な保管装置、デジタル・セーフを開発した。
ＫＲＤＬの研究員胡儉氏によると、多くの機関や多くの人々が重要文献をコンピューターに保管しているが、故障やビールスの感染により、大事な文書が消失する恐れがある。このため特に政府機関、銀行、法律事務所、国防機関等におけるデジタル・セーフの潜在需要は大きく、デジタル・セーフは新たなサービス産業を生み出す見通しだ。
デジタル・セーフの需要を創出するもう一つの要因としてネットワーク・コンピューター(NC)の普及が上げられる。ＮＣには記憶装置がないため、サーバー上に保管する他ないが、将来登場するデジタル・セーフ・サービス会社はＮＣユーザーのこの種のニーズにも応じられる。
ユーザーはデジタル・セーフ会社のサーバーから得たソフトウェアによりその文書を暗号化するが、一旦暗号化された文献はサーバーにも判読できない。電子取引の過程で重要なことは、相互に交換された文書が改竄されないことだが、この種の文書の控えをデジタル・セーフに保管すれば、改竄を防止できると言う。(LZ:7/6)