1998-07-07 ArtNo.15602
◆<星>AMC、簡便割安なインターネット直結技術提供
【シンガポール】シンガポーリアンのエドワード・タン氏が創設したナスダック登録企業American Multiplexer Corporation(AMC)は、PC(パソコン)のスイッチを入れさえすれば、モデムを据え付けたり、ダイヤル・アップする必要もなく24時間インターネットに接続し、電話も同時に利用できる新技術を提供する。
AMCの最高経営者(CEO)を務めるタン氏によると、SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line)技術を応用した同社のシステム“DigiCorp”を利用するには、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)を通じてユーザーのオフィスまたは家庭にDigiCorpボックスを据え付ける必要がある。これによりPCは常にインターネットに接続され、同じ回線の電話も通常通り使用できる。
またISPはAMCが提供するネット・アクセス・サーバーを据え付けねばならない。同サーバーは電話のシグナルとインターネットのデータ・シグナルを分離、電話シグナルは電話会社に、データ・シグナルはISPに転送する。DigiCorpの転送速度は双方向64kbps(キロビット毎秒)~2mbps(メガビット毎秒)となっている。
DigiCorpの採用を検討する米国ISPは、ユーザーから1回限りの据え付け料として100米ドル、24時間インターネット接続(転送速度128kbps)料金として月額20Sドルを徴収する計画と言う。
しかし業界筋は、シンガポールでは国際インターネット接続料が嵩み、帯域も混雑していることから、24時間インターネット接続サービスを上記のような低価格で提供することは、実際上困難と指摘した。
タン氏によると、AMCは目下マレーシア、タイ、中国、オーストラリア、カナダのISPへの売り込みを図っており、シンガポール・テレコムも関心を示している。
ちなみにDigiCorpはマレーシア人アンドリュー・チャン氏により開発された技術で、AMCの研究開発(R&D)スタッフも大部分がマレーシア人で占められている。AMCはシンガポールにオフィスを、マレーシアのマルチメディア・スーパー・コリドー(MSC)にR&Dセンターを設けていると言う。(BT:7/6)
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