1998-07-06 ArtNo.15589
◆<星>シングテル、ビナリアン権益買収交渉大詰め?
【シンガポール】シンガポール・テレコム(シングテル)の過去最大の投資になると見られるマレーシアの電気通信会社ビナリアン・テレコムの権益買収交渉が大詰めを迎えているようだ。消息筋によると、関係発表が間もなく行われる見通しと言う。
最新のガイドラインの下、外国企業はマレーシアの電気通信会社の最大61%の権益を買収できるが、5年内に同持ち分は49%まで引き下げられねばならない。
ビナリアンのビジネスは時価にして25億米ドルと見積もられ、これを基準にすれば61%の権益は15億米ドルに達する。しかしこれにはビナリアンの既存パートナー、USウェストの19%の持ち分も含まれる。USウィストの持ち分を除いた42%の権益だけでも取引額は10億米ドルに達する。
シングテルは数年前にベルギーのBelgacom権益を10億Sドルで買収したが、それ以降シングテルの40億Sドルの金庫の扉が開かれていない。
シングテルは昨年、政府投資会社のタマセク・ホールディングズと、シングテル・ストラテジク・インベストメンツPte Ltd(SSI)を設立しており、今回の協議が妥結すればSSIを通じて買収が行われる見通しだ。シングテルのコー・ブンフイ会長は同社が82%出資するSSIの創設に際して、今後1億米ドル以上の海外投資は、シンガポール・テレコム・インターナショナルに替わり、SSIを通じて行われると語っていた。
会社登録局の記録では、SSIの授権資本は100億Sドル、払い込み資本は1億Sドルとなっている。仮に同取引が妥結するなら、シングテルは固定式電話サービス・インフラに少なくとも10億Sドルを投資する必要が有ると見られるが、これにより同社のマレーシア向け長距離電話サービスSTDの競争力が強化され、長期的メリットがあると言う。(BT:7/4)
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