1998-06-30 ArtNo.15512
◆<星>プラスチック射出成形のHi-P、SES上場目指す
【シンガポール】昨年シンガポールの未上場企業番付“エンタープライズ50”の第36位にランクされたプラスチック射出成形会社Hi-Pシンガポールは来年第3四半期までにシンガポール証取(SES)メインボードに上場する計画だ。
Hi-PのCTヤオ重役(MD)は、当初今年上場するはずだった同社としては、米国や欧州市場におけるプレゼンスの確立を目指す上からも、これ以上計画を延期することはできないと指摘した。
台湾からシンガポールに帰化したヤオ氏(57)は目下Hi-Pの72%のシェアを握っており、米国拠点のコネクター・メーカーMolex Incが残りの28%のシェアを保持している。増資後の25~30%の株式を公開、内新株が70~75%を占める。公募価格の株価収益率(PER)は10~14倍で、3000万~5000万Sドルの調達を目指す。来年初に上場申請を提出、リード・マネージャーは華聨銀行(OUB)、共同引き受け行はシティバンクが、それぞれ務める。
1979年創設のHi-Pは、射出成形の他、メタルスタンピングやマイクロ・スイッチ等の最終製品の製造にも進出、シンガポールの他、メキシコと中国に工場を有する。主要顧客にはシーゲート、ウェスタン・デジタル、テキサス・インスツルメンツ、モトローラが含まれる。
1992-97年の間の売上は年率32%の成長を見、増益率は平均37%をマークした。しかし今年の売上は18%増の3300万Sドル、純益は6%増の720万Sドルが見込まれている。営業額の70%は海外売上が占め、域内経済危機の影響はそれほど深刻ではない。
主要市場は米国と欧州だが、まだ両市場に直接進出していない。今回の上場計画の主要な目的は海外事業拡張の元手を得ることに有り、公募資金で借り入れを返済する計画はない。現在の6~10の金利水準なら、過去10年の30~40%の投資収益率からしても、投資した方がより効率的と言う。(BT:6/29)
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