1998-06-26 ArtNo.15469
◆<星>電気器具製造のクリプサル、一層の引き当ても
【シンガポール】香港拠点の電気器具メーカー、Clipsal Industriesは域内経済の低迷が持続すれば、一層の引き当てを行う可能性もあるが、昨年度の引き当て額を上回ることはないと言う。
シンガポール証取(SES)上場のクリプサルのビクター・ロー会長は24日以上の見通しを語った。クリプサルの1997年12月期純益は前年を9.5%下回る2100万Sドルにとどまった他、製品在庫や受取勘定の予想される減価に680万Sドルを引き当てた。
ロー会長によれば、東南アジア市場の低迷は中国、香港、オーストラリアの好調で相殺される見通しで、同社が最近開拓に乗り出したインド、パキスタン、中東市場も利益拡大に貢献するものと見られる。
またミドル・マーケットをターゲットにした新製品の開発努力も成果を上げる見通しだ。経済危機でアジア市場のトップ・エンドがスローダウンしたことから、その照準をミドル・エンドに合わせる必要が生じている。同社のミドル・エンド製品はアジア各国政府の公共住宅プロジェクトに供給される。
クリプサルはまたイタリア企業Lovato SpAの38.02%の権益を435万Sドルで買収、これによりLovatoの製品のアジアにおける販売が可能になったが、同様の戦略的タイアップ交渉が他にも進められている。
ローカル通貨の軟化を機に東南アジアにおける製造事業を拡張する可能性に関して、ロー氏は、目下のところ既存製造施設の稼働率がいずれも低下しているため、こうした設備の適正稼働率を実現するのが優先されると指摘した。こしたことから仮に新工場が設けられるとすれば、既存製品ではなく新製品になると言う。(ST,BT,LZ:6/25)
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