1998-06-26 ArtNo.15467
◆<星>政府系商社イントラコ、自動車ビジネス売却へ
【シンガポール】政府系貿易会社Intracoは、一時は好収益をもたらした自動車販売ビジネスからの撤退を目指し、目下関係方面と売却交渉を進めている。
消息筋によると、少なくとも外資系企業2社とのかなり突っ込んだ交渉が進められているようだ。イントラコは1980年代半ばにロシア製Ladaを輸入したのを皮切りに、自動車販売ビジネスに進出、1989年にローヴァの代理権をマラヤン・モーターから買い取った。その後、英国ポンドが値下がりしたり、ホンダがエンジニアリング面でローヴァに肩入れしたのを背景にローヴァの人気が高まり、一時はイントラコのグループ純益の半ば以上が自動車ビジネスで占められた。
しかし3年ほど前からシンガポールにおける自動車販売ビジネスの環境は悪化した。イントラコはこうした逆境に抗して、LDVやルノー大型商用車のフランチャイズに進出、また売れ残り車両を利用したレンタカー・ビジネスも開始したが、不幸にしてこうした試みは赤字の拡大をとどめるには至らなかった。昨年は自動車ビジネスは720万Sドルの損失を計上、グループ純益はこのため10万1000Sドルに縮小した。
目下、売却が図られているものには、1000万Sドルを投じて2年前に設けたウビ・ロードのビル、約900台の車両とスペア・パーツのストックが含まれるものと見られるが、人目に触れぬウビ・ロードのビルは工場施設も備えておらず、またスタートから大量の売れ残り車両を抱え込むことを希望する者もないため、観測筋は、大幅なディスカウントを強いられるものと予想している。(BT:6/25)
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