1998-06-24 ArtNo.15443
◆<馬>Paracorp、OEMにシフト、中国事業拡張
【クアラルンプル】電子部品メーカー、Paracorp Bhdは市況の先行きが不透明なことから、ODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチュアリング)事業の拡張を見合わせ、相手先商標製造(OEM)ビジネスに再び力を入れる一方、中国における製造業務を拡張する計画だ。
パラコープのチン・ホンタット重役(副MD)が22日催された年次総会後語ったところによると、昨年香港拠点のチーム・コンセプツ・ホールディングズLtd(TCH)の支配権益を買収したのを機会にODMビジネスを一層拡大するはずだったが、先行きの不透明感が増す中で、再びOEMに照準を合わせる方針を決めた。
目下のところ独自商標の消費用電子製品/通信機器等ODMベースのビジネスが売上の60%を占め、OEMビジネスのシェアは営業額の1%に満たない。1997年12月期9ヶ月の営業額は前年同期の9348万Mドルから3億3314万Mドルに256%拡大したものの、税引き前利益は僅か11%の伸びにとどまった。
こうしたことから今年はODMビジネスのシェアを維持するとともに、OEMビジネスの拡張に力を入れる。これはデザイン・コンセプトから最終製品の製造までを手がけるODMビジネスはコストが嵩むため。同社は先ずOEMビジネスで資金を蓄積、その後でODM部門を改めて拡張すると言う。
一方、中国ビジネスの拡張には、マレーシアにおける製造事業の一部を中国に移転することが含まれる。これはマレーシアにおけるコスト上昇と労働市場の逼迫に伴うもの。中国では1週間あれば500人の労働者を募集することができる。TCHの中国工場の敷地は30万平方フィートにのぼるため、先ず同工場を最大限に活用する。マレーシアには研究開発(R&D)、最終品質の管理、セールス・マーケッティング部門がとどめられる。
パラコープが70%の権益を買収したTCHは世界第2の電子教材メーカーで、イタリア市場の51%、スペイン市場の46%、フランス市場の25%、米国市場の25%のシェアを握っている。後者が世界に展開するオフィス網もパラコープの国際市場進出に役立つ、しかし同社はメキシコ市場進出計画は暫時棚上げした。
パラコープのキャッシュフローの70%が米ドル建てのため、域内通貨危機の影響はそれほど受けておらず、むしろローカル通貨軟化の恩恵を享受していると言う。(NST,STAR:6/23)
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