1998-06-22 ArtNo.15406
◆<星>5月の国産非石油製品輸出、再度マイナス成長記録
【シンガポール】シンガポールの国産非石油製品輸出は、4月の-1.7%に続き、5月も4.8%ダウン、シンガポール経済が過去10年来最悪の不振に陥りつつあることを窺わせた。
貿易開発局(TDB)は輸出志向型シンガポール経済のバロメーターとして注目される国産非石油製品輸出の不振の理由として、主要電子製品の世界的な供給過剰、域内経済危機に伴う周辺諸国への消費財及び資本財輸出の低迷を指摘している。
国産非石油製品輸出の3分の2を占める電子製品のトップ5品目がいずれもマイナス成長を見、ディスク・ドライブ(HDD)は8.2%、集積回路(IC)は6.6%、プリント基板アセンブリー(PCBA)は8.9%、それぞれダウンした。IC輸出のマイナス成長は13ヶ月来のことで、PCBAのマイナス成長も11ヶ月ぶりのこと。
輸出先別では、米国と欧州向けがそれぞれ7.8%と10.1%のプラス成長を維持したものの、それ以外の地域は、マレーシア-16.7%、日本-12.4%、タイ-5.5%、韓国-30.8%、香港-3.4%、台湾-1.9%と、軒並みマイナス成長に陥った。
製造業の短期的先行きを占う指標とされる非石油製品の輸入も、4月の-11.1%に続き、18.1%の縮小を見たことから、TDBは国産非石油製品輸出が今後一層減速する恐れを指摘している。
この結果、5月の往復貿易は273億1200万Sドルと、昨年同月比13.8%の大幅な下降を記録した。
G.K.ゴーのアナリストによると、半年乃至1年後の製造業の輸出動向を占う指標とされる非石油製品の純輸入(総輸入から再輸出を引いた値)が31%の大幅な落ち込みを見たのは、1985年11月以来のことで、同アナリストは第2四半期の製造業生産は約4%の落ち込みを見ると予想した。しかしながら建設関連の経済活動等に支えられ、国内総生産(GDP)のマイナス成長は免れる見通しと言う。(ST,LZ:6/21)
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