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1998-06-18 ArtNo.15366
◆<馬>最悪の時期はこれから:シンクタンク
【クチン】マレーシアン・インスティテュート・オブ・エコノミック・リサーチ(MIER)のモハメド・アリフ常務理事(ED)は16日、マレーシアの経済危機はまだ最悪の時期を迎えておらず、今後一層厳しい事態が予想されると警鐘した。
サラワク・デベロプメント・インスティテュートが、バンク・ウタマBhdの賛助を得て主催したセミナーの席上、「目前の危機と経済動向」と題して講演したモハメド氏によれば、目下マレーシアが直面している危機は、1980年代のリセッションよりも苦痛を伴うもので、その回復にはより長期間を要する。
タイと韓国は目下苦痛を伴う調整策を講じているが、マレーシアはまだ歯を食いしばって切開手術に耐える時期を迎えていない。
今後予想されるシナリオは、経済成長とビジネス/消費者情緒の急降下、インフレと失業率の急上昇で、建設不況は他の110業種以上に波及するものと見られる。
銀行部門の不良貸付(NPL)は今年末には総貸付残高の15~20%、従って800億Mドルの水準に達する見通しで、NPLの管理を委ねられたアセット・マネージメント・カンパニー(AMC)の250億Mドルの基金は不十分である。
今年第1四半期の国内総生産(GDP)はマイナス成長を記録したが、今年下半期には銀行体系および民間企業界の大調整が必要になる見通しだ。
こうした状況下の経済アジェンダは最早成長ではなく、経済基盤の安定であり、経済政策の成否は政策の透明度に依存する。例えば銀行業界の健全さを示すデータのタイムリーな開示が求められる。既に厳しい通貨政策が敷かれていることから、財政政策はそれほど厳しく引き締める必要はない。市場の自信を早期に回復できれば、Mドル相場を安定させ、外資の流入を拡大できる。警告を発して市場調整を強いるよりは、正確な情報/データを提供して自発的に調整させるに越したことはない。
事態が改善に向かっていると希望的観測を抱くことは慎むべきだが、マレーシア経済の中期/長期的見通しは良好で、何ら懸念する必要はない。いずれにしても今年末、あるいは来年にはトンネルの出口を示す曙光が見られるかも知れないと言う。(STAR:6/17)
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