1998-06-18 ArtNo.15361
◆<星>域内環境悪化すれば、マイナス成長も:金融管理局幹部
【シンガポール】シンガポールの今年の経済成長は政府見通しの2.5~4.5%の底辺に近いものになる見通しだが、仮に域内の経済環境が一層悪化すればマイナス成長もあり得る。
東南アジア研究学院(ISEAS)が16日主催したセミナーの席上、金融管理局(MAS)経済部の許和意(Khor Hoe Ee)部長は、以上の見通しを語った。それによると政府は今月末までにハッキリした成長見通しを立て、必要なら予算外措置を講じて景気を浮揚する。この種の措置は民間業界、取り分け中小企業が被った打撃を和らげることに重点が置かれる見通しだ。
今年第1四半期の国内総生産(GDP)は294億Sドルと、昨年同期を5.6%上回ったものの、昨年第4四半期の305億Sドルを下回っており、この点からも今年第2、第3四半期の成長は低めになる可能性が大きい。第2四半期の成長率が僅かなプラス成長になるか、マイナス領域に落ち込むかは大きな問題ではなく、より重要なことは経済基盤の安定度である。
Sドル相場に関しては、昨年7月のタイ・バーツの急落以来、米ドルに対して18%軟化したが、主要貿易相手国の通貨バスケットに対しては多少強化している。MASの通貨政策はSドルの穏やかな変動を認めることで、Sドル相場を一定レベルに固定しようとするのは非現実的と言う。(BT,ST,LZ:6/17)
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