1998-06-17 ArtNo.15347
◆<星>情報時代への対応能力が政治家の必須条件に:上級相
【シンガポール】このほどニューズ・ウィークのインタビューに応じたリー・クアンユー上級相は、東南アジアの政治家が情報時代に対する正確な認識を備えていたなら、これほど深刻な経済危機を招くことはなかったはずと指摘した。
リー上級相がニューズ・ウィーク最新号上で語るところによれば、情報化時代の今日にあっては、外国から借款を導入するにしろ、外資を誘致するにしろ、常にポジティブなシグナルを外部に発し続けねばならない。そのためには、銀行条例や企業の監督システムを改革するだけでなく、閨閥や政官財の癒着も一掃する強固な政治的信念を必要とする。
タイのチャワリット前首相は国際通貨基金(IMF)に約束した銀行/金融会社50社の閉鎖を履行せず、信用を失墜、バーツの急落を招いた。それに引き続いて、マレーシアのマハティール首相は株式市場とMドル相場の急落に憤慨したあまり、投機家、取り分けサロース氏やユダヤ人の批判を行い、域内通貨市場と証券市場の一層の波乱を引き起こした。加えてインドネシアのスハルト大統領(当時)は、息子や娘が一旦閉鎖した銀行や発電事業を再開するのを認め、ルピアの下落に拍車をかけたと言う。(LZ:6/16)
|