1998-06-12 ArtNo.15295
◆<印度>MUL、ギアボックス技術移転問題で政府説明に異議
【ニューデリー】工業省は10日、スズキは既にMaruti Udyog Ltd(MUL)へのギアボックス技術の移転を実行していると説明したが、MULマネージメントはそのような事実はないとコメントした。
重工業局のP.Shankar次官は工業省が10日催した記者会見の席上、MULは既に既存モデルのギアボックスの主要な技術設計を全て手に入れているとし、スズキが技術移転を拒んでいるとの説を否定した。また6月22日の取締役会では、ギアボックス関連の技術移転を優先するか否かも討議されると語った。
しかしMUL幹部は、「これまでにスズキから手に入れたものは、技術移転に関わるプロジェクト・レポートのみで、Shankar次官は誤解している。22日の取締役会では主にインド市場に投入される新モデルの問題が討議され、ギヤボックス問題は主要議題に含まれていない」と語った。
この点に関しては、これ以前にMULの齋藤新会長も、目下の優先課題は新モデルを投入し、インド市場の新たな競争環境に対応することであるとし、1500クロー前後の巨額な投資を必要とするギアボックス技術の移転は、当面行われない可能性を示唆していた。(FDTH,ET:6/11)
|