1998-06-11 ArtNo.15270
◆<星>地場4大行、隠し金S$80億を間もなく公開
【シンガポール】シンガポール地場4大銀行が外部に公開することを避け密かに保持するファンドは80億Sドルにのぼる見通しで、また金融管理局(MAS)の最低準備金率の引き下げで、銀行体系に環流する資金は40億Sドルと、アナリストは見積もっている。
リー・シエンロン副首相は月曜、シンガポール銀行業再編計画の5施策の一部として銀行界に非公開の内部留保資金の公開を求めたが、アナリストらによると地場4大行だけで1行当たり15億~47億Sドルのこの種のファンドを有するものと見られ、銀行界全体では、その額は120億Sドルに達する見通しだ。
こうした資金には、銀行の投資コストと時価の差額、留保利益、一般ローンの引き当てが含まれる。リー副首相の意図は、これらの資金を公開することにより、投資家に一層正確な判断材料を提供することと見られる。
政府により指名された銀行開示委員会のエリザベス・サム議長は、銀行内部資金の開示は決して1998年度年次レポートが来年初に発表されるまで待つ必要はないと指摘した。これに対して地場4大行の1行DBSバンクの幹部は今年末の半期報告書において一層の開示を行う可能性を示唆している。(BT:6/10)
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