1995-05-08 ArtNo.1525
◆<馬>中央銀行、金利引き上げ/金融引き締めの意思否定
【クアラルンプル】中央銀行は5日午後、マレーシア経済の現状は健全で、インフレもよくコントロールされており、現時点で高金利策や金融引き締め措置を講じる考えはないと声明した。
クアラルンプル証取(KLSE)はこの日、某著名企業家が違法行為で起訴されるとの噂で、同企業家関係の銘柄を中心に暴落、加えて最近の金融引き締め措置に関する憶測から、値下がりする銘柄が続出した。このためKLSE総合指数は一度は11.35ポイント下降したが、中央銀行の声明後、失地を回復、取引終了時にはかえって5.06ポイントの上昇を見た。SJ証券アナリストは、「金利引き上げの噂はデリケートで、特に3カ月もの銀行同業間金利が実際に6.5~7%に上昇すれば、投資家はKL市場から逃避してしまう。したがって中央銀行の声明は時宜を得たものだった」と論評する一方、「KL市場の不透明感がこれで払拭された訳ではなく、外人投資家が復帰しなければ、市況回復は望めない」と補足した。この点について別のアナリストは、「中央銀行が今金利を引き上げないなら、遠からず景気は過熱し、その時になって対策を講じても手遅れの恐れが有る。金利引き上げは、短期的に証券市場に打撃を与えても長期的には外国ファンド・マネージャーの信頼を高め、外資の復帰を促すことになる」とコメントした。(ST,BT,LZ:5/6)
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