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1998-06-09 ArtNo.15243
◆<星>米国半導体チップ業界、アジア危機で拡張計画に見直し
【シンガポール】米国のチップ・メーカーは、アジアの経済危機が2年に及ぶ不況の回復見通しを曇らせたことから、拡張計画に見直しを加えている。
米国シリコン・バリーの少なからぬチップ・メカーは、依然として設備過剰に直面、2000年までは新たな投資を必要としないと見ている。昨年設備拡張に5億米ドルを投じたアナログ・デバイシス社は、「既存の設備能力で今年一杯は需要に十分対応できるが、1999年下半期には再び設備を拡張する必要が生じる」と予想する。昨年フランスに新ファブをオープンしたAtmelは、拡張予算を昨年の3億米ドルから今年は2億米ドルに削減した。
これらの企業が投資を再開した際には、アジアは再び米国国内に代わる候補地として浮上する見通しだが、米国は、特にハイテク・チップや特殊チップ領域において、依然としてファブリケーション活動の拠点としての魅力を失っていないようだ。
アナログ・デバイシスの幹部によると、アジアにファブを設けるのは確かに1つの選択だが、ファブの大部分のコストは設備機器とその減価償却費で、これらの設備機器は輸入に依存するため、コスト面だけからすれば、ローカル通貨が軟化したアジアにファブを設けるメリットはない。
バール・ブラウン・コープの幹部は、アジアにファブを設ける考えはないが、テスト施設や組立施設を設けることは一考に値すると語った。同社は水/電気の供給と環境管理施設が整ったアリゾナに次のファブを設ける計画と言う。
アジア経済危機でマレーシアにおけるファブ計画を延期したサンノゼ拠点のAtmelの幹部は、同社の顧客の40%はアジアを拠点にしており、マレーシアの魅力は大きいと語った。同氏によれば日本と韓国は人件費が高く、台湾のインフラは混雑気味で、エンジニアの確保も難しい。シンガポールは、インフラは整備されているものの、土地コストが高く、労働供給も逼迫している。同社は既にマレーシアのクリムには多額の投資を行っており、安いMドルと政治的安定も魅力と言う。
バール・ブラウンの幹部によると、アジアは今後デジタル・チップの製造拠点になる見通しだが、より複雑なアナログや特殊用途のチップの製造拠点は、依然としてデザイン施設が存在する米国に設けられる見通しと言う。(BT:6/8)
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