1998-06-09 ArtNo.15242
◆<星>通信/放送/ネットワーク展、3機能の統合時代を先触れ
【シンガポール】先週シンガポールで催されたコミュニクアジア/ネットワークアジア/ブロードキャストアジア展示会では、電話、TV、コンピューターの機能を統合した、様々な製品、サービス、新技術が紹介された。
テレビジョン・コーポレーション・オブ・シンガポール(TCS)はケーブル・モデムもしくはADSLを用いパーソナル・コンピューター(PC)ユーザーにTVプログラムを提供するビデオ・オン・デマンド・サービスを紹介した。TCSの“1-on-one”サービスは来月からスタート、シンガポール・テレコムのビデオ・オン・デマンド“Magix”に挑戦することになる。
IBMはインターネット技術を応用したプライベート・ネットワークを通じてTVプログラムをPCに送り届けるLogiCast-In-Broadcasting、TVによるウェブ・サーフを可能にするセット・トップ・ボックス用チップ、さらには遠隔操作により世界中の様々な地域にTV番組を放送できるTVネットワーク技術“コンテント・ディストリビューション”を紹介した。
コンテント・ディストリビューションを用いれば、多くの場所にスタジオを設ける必要が無くなる。例えば米国の大手TVネットワークは世界中の小規模TV市場に容易に進出でき、コスト効率を大幅に高められる。
IBMはウェブを通じたスポーツ・ゲームの速報を行っており、スポーツ番組を見ながら、電子ショッピングも楽しめる。IBMアジア・パシフィックのメディア&エンターテーメント・マネージャーによると同社はサテライト・ケーブル、地上放送会社、フィルム/ミュージック産業等の市場開拓を目指していると言う。
ブリティッシュ・テレコムは、マルチメディアのTV及びPCへの応用技術を、フランス・テレコムはスマートカードを用いたペイTVの支払いシステム“ViAccess”をそれぞれ展示した。
サンテク・シティーで催されたコミュニクアジア会場にはシスコ・システムズ、ニューブリッジ・ネットワークス、3Com等のコンピュータ・データ・ネットワーキング会社が出展した。
サンマイクロシステムのジョン・ゲージ最高経営者(CEO)によると、インターネットは日常的消費手段になるはずで、エレクトロニク・コマースが大衆化される鍵はワイヤレス技術とその端末の普及にかかっている。この点に関しては、ビデオ、インターネット、音声の転送が可能なハイスピード・ワイヤレス技術が2年内に実用化する見通しと言う。(BT:6/8)
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