1998-06-08 ArtNo.15223
◆<星>クアンタム会長、今年下半期にHDD市況回復予想
【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)需要は今年下半期には回復に転じるが、価格の安定は、HDDメーカーが今四半期中にどれだけ在庫をカットできるかにかかっている。
会議のためシンガポールを訪れたクアンタム・コープのマイケル・ブラウン会長が5日語ったところによると、季節的要因からもクリスマス・シーズを迎える下半期に回復基調が生じるものと見られる。クリスマス・シーズンの強力な電子製品需要によりユニット販売の拡大が予想されるが、価格の回復は供給過剰の収束が前提になる。今四半期に関しては依然として第1四半期同様10-15%の値下がりが見込まれる。第1四半期には在庫の縮小が見られたが、第2四半期のこの方面の進捗ぶりは6月に判明する。その時点で通年の価格動向が明らかになるはずだ。
米国拠点のドライブ・メーカー、シーゲート、クアンタム、ウェスタン・デジタルは、昨年のクリスマス・シーズンの低調な売上に祟られ、膨大な在庫に悩まされてきたが、同時に富士通やサムソン等、アジア・メーカーの値下げ攻勢の影響も被っていた。今年3月期四半期にはシーゲートもウェスタン・デジタルも損失を計上した。しかしクアンタムだけは好収益を上げるテープ・ドライブ・ビジネスに助けられ、赤字を免れた。
ブラウン会長は、価格競争に触れ、「この種の戦術が奏功しないことは既に立証された。クアンタムはそうした手段に頼らず競争力の強化を図る。こうした戦術に頼ってシェアを拡大しても、長期的に維持することはできない。ある種のプレーヤーは好んで何年でも赤字経営を続けることができると言た説は、信じられない。クアンタムは、例えばUS$1000PC(パソコン)用5.25インチのビッグフート・デスクトップ・ドライブやショック・プロテクションと言った斬新な製品や新技術により、他社との違いを出している」と語った。
クアンタムのHDDの40%はシンガポールの松下寿工場で、残りは日本とアイルランドで製造されている。(BT:6/6)
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