1998-06-06 ArtNo.15215
◆<馬>AMC、銀行不良貸付買い上げでM$250億調達
【クアラルンプル】マレーシア銀行部門のバランス・シートを健全化する使命を負うて創設されたアセット・マネージメント・カンパニー(AMC)は、250億Mドルを投じて銀行業界の不良貸付(NPL)を買い取る計画だ。
アンワル副首相兼蔵相が4日明らかにしたところによると、政府から5000万Mドルの当初準備金を支給され創設されたAMCは、国内及び海外において政府保証付き債券を発行、当面100億Mドルを調達する。この内、海外では10億~20億米ドルが起債される。AMCは目下海外における起債の準備を進めており、1、2ヶ月以内に債券の販売が開始される。
マレーシア政府は7月にAMC法案を国会に上程する計画で、7月末には最初のNPLがAMCの管理に帰する見通しだ。国内銀行コンソーシアムはAMCの権益買い取りの意向を表明しているが、銀行コンソーシアムにAMCへの参画を認めれば、利害の混交が生じる。例えばAMCが銀行界からNPLを買い取る際、銀行コンソーシアムがAMCの主要株主なら、価格交渉の公正さを保つことはできない。したがって銀行コンソーシアムの参加を認めるにしても、AMCの支配権益取得を認めることはできない。
インベストメント・バンクのJPモルガンとアーサー・アンデルセンが、AMCのファイナンス・アドバイザーと戦略/運営アドバイザーをそれぞれ務める。
今年4月のマレーシア銀行界の不良貸付は443億Mドルに達し、NPLレシオは、今年3月の9.3%から今年末までには15%に達するものと予想されていることから、観測筋は「250億Mドルでは足りないようにも見えるが、当初の10億~20億米ドルに加えて、さらに多くの外国資金が流入するなら歓迎される」としている。しかし別のアナリストは、一体誰が買い手か、如何なる資産が売却されるのか、価格メカニズムはどうなっているのか、と言った少なからぬ疑問点にまだ回答が出ていないと懐疑的だ。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:6/5)
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