SEAnews 1995-05-08 ArtNo.1521

【シンガポール】シンガポールの地元情報技術(IT)企業は海外市場開拓に際してディストリビュータを物色するよりも、直接販売子会社を設立する強気な姿勢を見せている。
シンガポール・コンピュータ産業連盟(SFCI)が傘下会員企業142社を調査したところ、回答者の47％が海外市場進出に際しては子会社を設立すると答え、ディストリビュータを指名すると応えた者は42％にとどまった。昨年の調査では47％がディストリビュータを指名すると回答、子会社を設立すると答えた者は38％だった。ＳＦＣＩによれば、実際に海外に販売子会社を設けている会員は48社で、依然として96社がディストリビュータに頼っているが、今後両者の開きは急速に縮まる見通しだ。これらの企業の昨年の業績を見ると、多くの企業が国内及びＡＳＥＡＮ域内業務の成長を報告しており、国内営業額の増加を見たものは全体の68％、国内業務純益の伸びを見たものは同56％だった。またＡＳＥＡＮ域内営業額が拡大したと答えたものは全体の78％、同純益の伸びを見たと答えたものは59％だった。しかし前回の調査に比べると成長速度は多少鈍化している。国内市場の今年の動向に楽観している者は約83％、来年以降の市況を楽観している者は90％に達した。また79％の企業が海外業務の拡張を計画、これに対して国内業務の拡張を計画する者は全体の48％だった。一方85％の企業が労働コストの増大に懸念を表明、アプリケーション・ソフト製造面ではインドが、ハード面では台湾が、それぞれ最大の競争者と見なされている。(ST,BT,LZ:5/6)