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1998-06-06 ArtNo.15208
◆<星>米国チップ・メーカー、アジア・ファンドリーにシフト
【シンガポール】アジアの経済危機や2年にわたる半導体チップ産業の低迷にも関わらず、益々多くの米国チップ・メーカーが主にアジアに設けられた半導体ファンドリーの利用にシフトしている。
ある種のニッチ・マーケットをターゲットにした特殊チップの少量生産から、CMOS(相互補完金属酸化膜半導体)と称される汎用ウエハーの量産に、業界の潮流が変化しつつあることもこうした傾向を助長しているようだ。CMOSはコンピューター関連アプリケーションに用いられるチップに広く使用され、大部分のファンドリーが同技術を応用している。
ファンドリーはブランド・チップ・メーカーのためにシリコン・ウエハー上に回路をエチングする作業を引き受けている。例えばシンガポールのチャータード・セミコンダクター・マニュファクチュアリング(CSM)は、独自商標のチップは製造せず、ルーサント・テクノロジー等、他社のためにチップを製造している。
Burr-Brown Corp.のマイケル・ポーリック副社長は、アジア経済危機でファンドリーはウエハー製造価格の下降に悩まされているが、そのことはアジアのファンドリーを一層魅力的にしていると語る。バールブラウンはアジアの複数のファンドリーを利用して工業/電気通信/医療/消費市場向けの様々なチップを製造している。同社は現在60%の製品を社内で製造、残りをタイワン・セミコミンダクター・マニュファクチュアリング・コープや日本のオキに依託している。しかし向こう3年間にその比率は50:50になる見通しと言う。
米国には最近、S3、Exar等のファブレスな中小チップ・メーカーが多数誕生している。これに対して大手のチップ・メーカーは社内のファブと社外のファンドリーを使い分け、高度に特殊技術を要する例えばアナログ・チップ等は社内で生産、よりスタンダードなデジタル・チップはファンドリーに委ねている。
またチップの生産量がある一定のレベルを超えた際には、独自のファブを設けて生産した方が経済的とされる。例えば量産されるメモリ・チップのマージンは、チップ・メーカーがファンドリーと分け合うには余りに僅かと言う。(BT:6/5)
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