1998-06-04 ArtNo.15182
◆<馬>銀行不良貸付管理会社AMCの60%の資金を政府が拠出
【東京】銀行の不良貸付(NPL)を管理するために創設されるアセット・マネージメント・カンパニー(AMC)の60%の資金は政府が提供、残りは民間に拠出を求める。
訪日中のマハティール首相は2日、金融問題シンポジウムに出席後記者会見し、以上の消息を語った。
マレーシアは、国際通貨基金(IMF)の勧告を受け入れ、金融危機への対応を図っているのかとの質問に、首相は、「金融問題の処理については日本は決して成功していないため、米国方式を見習うことにしたが、ルック・イーストであることに変わりはない。何故なら米国はマレーシアにとって一層東の国だから」と冗談を述べる一方、「マレーシアは望んでIMF方式に倣っている訳ではなく、そうしなければMドル相場は一層下降すると警告されたため、仕方なくそうしている」と本音も漏らした。
首相によると、IMF方式は、金利引き上げ、信用引き締め、減税を柱にしているが、これらを実行すれば、企業は倒産する他なく、企業が倒産すれば法人税収入に依存する政府も破産する。したがってマレーシア政府は、IMF方式を全面的に採用することを躊躇している。
マレーシア政府は日本が円の国際化を認める方針を決めたことを歓迎する。譬え日本政府がそうしなくても、マレーシアは日本との取引には喜んで円を用いる。同様に1999年以降、欧州と取引する際にはユーロを使用する。目下マレーシアと米国の貿易は往復貿易総額の18%を占めるに過ぎないが、貿易総額の75%が米ドル建てで決済されている。こうした状況はマレーシアにメリットをもたらさぬため、政府はできるだけ米ドル以外の通貨を用いて取引することを望んでいると言う。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:6/3)
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