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1998-06-02 ArtNo.15145
◆<星>大蔵省、思い切った不動産景気対策の可能性否定
【シンガポール】政府は引き続き不動産市場の動向を注意深く見守って行くが、思い切った景気浮揚策を講じる必要は認めない。
シンガポール大蔵省はビジネス・タイムズ(BT)の最近の社説に触れ、以上の姿勢を確認した。BT紙の社説は1996年5月に導入された不動産投機抑制措置の撤廃等を提案したが、リチャード・フー蔵相の報道担当官署名の書簡によれば、政府は既に1997年11月に不動産購入後3年以内の転売に対する印紙税を撤廃、国有地の売却計画を減速、不動産プロジェクトの完工期日の延期を認めている。住宅購入ローンの上限を住宅価格の80%に制限した措置のみが、依然として有効だが、これは投機抑制措置と言うよりは、金融市場と不動産市場の安定成長を維持するために必要な措置である。
域内経済危機で国内不動産の値下がりは予想されるものの、最近の複数の不動産プロジェクトの売り出しの成功は、価格さえ合理的なら依然として、バイヤーのプールが存在することを物語っている。不動産市場は決して崩壊に向かっている訳ではなく、新たな価格水準に自働調整されつつあると見ることができると言う。
金利引き下げを求め、輸出促進の上からSドル相場への干渉に反対するBT紙の主張に対しても、同書簡は、国内金利とSドル相場は市場メカニズムと経済のファンダメンタルに委ねられており、市場介入は過度な変動を抑制するためのものとコメントしている。それによると高金利は昨今の不透明な経済環境に伴うハイ・リスクを、Sドル高は周辺諸国に比して強力なシンガポール経済のファンダメンタルを反映したものと言う。(BT:6/1)
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