SEAnews 1998-05-29 ArtNo.15100

【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場のエイサー・コンピューター・インターナショナルLtd(ACI)の東南アジア売上は今年第1四半期も引き続き下降、同社は他の地域の開拓を通じて挽回を図っている。
ＡＣＩのウィリアム・ルー会長によると、インドネシアの営業額は半減、タイ、マレーシアでも30％の落ち込みを見た。しかし中国売上が40％アップしたため、アジア太平洋地域全体の売上は依然として10％の拡大を見た。今年通年でも東南アジア売上は20～30％の下降が見込まれる。アジア太平洋地域の今年通年の業界売上は、コンピューターの値下がりも配慮すれば、横這いにとどまる見通しだ。
ＡＣＩは東南アジアに優良な顧客基盤を有するため、他社に比較して打撃は小さい。またオーストラリア、インド、中東、南アフリカ等の業務は成長しており、アジア太平洋地域の不振を補っている。
メキシコ危機の際には、為替差損に続いて、売掛金の回収不能が生じたため、同社はこの方面のリスクにも慎重な配慮を払っている。コンピューターは元々低マージンなため、一旦掛売の回収が不能になれば、譬え別の市場で10倍の売上を上げても償いきれない。
ＳＣＩは中国における製造業務をＭドルの値下がりで競争力が強化したマレーシアに移すことを計画している。
また国家コンピューター局(NCB)とバーチャル・コミュニティー・ゲートウェー(VCG)プロジェクトを協議している。ＶＣＧはインターネット・サーファーが好みのゲートウェーを自由に選択し、同好者とコミュニケートすることを可能にするもので、3～5年で完成すると言う。(LZ:5/28)