1998-05-28 ArtNo.15087
◆<星>経済危機で東南アジア・シングル・コール・ゾーン実現も
【シンガポール】東南アジアを襲った経済危機で、各国のテレコム市場開放の動きが加速しており、東南アジア全域がローカル通話として処理されるシングル・コール・ゾーンが誕生する可能性が高まっている。
アンデルセン・コンサルタンツのオーストラリア/ニュージーランド通信事業担当マネージング・パートナーのジョン・クレイブン氏によると、コモン・テレフォン・マーケット構想を具体化する動きが1年以内にも生じる可能性がある。そうなれば各国の電話オペレーターは域内の同業者に、コスト・プラス・ベースで無制限に国内ネットワークへのアクセスを認めることになる。
コスト・プラス・アクセスをベースとしたシングル・コール・ゾーンの形成はビジネスと就業の機会を高め、グローバル・インフォメーション・エージに道を開く。これに伴いエレクトロニク・ビジネスも急成長する。シンガポールはこうした動きの先頭に立つことができるが、その実現には強力なリーダーシップが必要とされる。インドネシア、タイ、マレーシア等には反対の動きも生じるものと見られる。
金融危機で地元企業と地元消費者のパワーが減退したことから、ASEAN諸国はこれまで以上に外資に依存せねばならなくなている。東南アジア諸国はこれまで急成長する国内市場を目玉に外資の誘致を図ってきたが、今やより大きな市場を形成することにより、投資地としての魅力を高めねばならない。こうした点からもシングル・コール・ゾーン誕生の条件は整っていると言う。(BT:5/27)
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