1998-05-28 ArtNo.15084
◆<星>来月末に予算外景気刺激措置導入も:タン副首相
【シンガポール】シンガポール政府は第2四半期の成長率が一層鈍化するなら、来月末にも予算外の景気刺激措置を導入する。
シンガポール米国ビジネス理事会最終日の会議に出席後記者のインタビューに応じたトニー・タン副首相は、以上の政府方針を明らかにするとともに、1985年のリセッションの際同様インフラ事業に追加投資を行う可能性を示唆した。それによると、リセッションはインフラ工事を加速する好機と目され、対象インフラには空港、港湾、学校、電気通信が含まれる。
新年度予算案の国会審理の折り、リチャード・フー蔵相は、景気刺激措置を直ちに導入する可能性を否定する一方、景気が後退すれば、政府は予算外措置を講じて景気を浮揚する用意があると語っていた。
タン副首相によると、第1四半期の経済成長は予算外措置を講じて景気を浮揚する根拠としては不十分だったが、来月末までに第2四半期の成長見通しが明らかになった段階で、政府は方針を決定する。
シンガポールの経済規模は小さく、しかも外的要因に大きく依存していることから、1985年の経験からも明らかなように、変化は急激に生じる。シンガポールは日本とは異なり、こうした変化に抵抗することはできない。したがって対応は迅速に行われねばならいと言う。(ST,BT,LZ:5/27)
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