1998-05-26 ArtNo.15056
◆<星>多国籍企業2社、チップ・ファンドリーのアジア拠点構築
【サンノゼ】益々多くの半導体チップ会社が製造業務を社外に依託する中で、PC(パソコン)/事務機大手のヒューレット・パッカード(HP)と米仏合弁半導体検査機器メーカーのSchlumbergerは、チップ・ファンドリー・ビジネスのアジア拠点の構築を進めている。
HP社とSchlumbergerの機器は独自の組立施設を持たぬチップ会社をターゲットにしており、両社はこの種のファブレス・チップ製造ビジネスの成長の潜在性に大きな期待を寄せている。両社はフロント・エンド・ウエハー・ファブリケーション、バックエンド・アセンブリー及びテスト領域の検査機器の供給を手がけている。
HP社はセミコンダクター・コントラクト・マニュファクチュアリング・オーガニゼーション(SCMO)を新設、世界的規模で半導体チップの請負製造市場への進出を図っており、SCMOは取り分けアジアのチップ・ファンドリーやアセンブリー/テスト会社に照準を合わせている。ファンドリーはウエハー組み立てサービスを専門に手がけるチップ・メカーで、アセンブリー/テスト会社はこうしたチップをカプセルに封印し、そのテストを行う。
一方、シリコン・バリーに自動化テスト機器部門の本部を置くSchlumbergerは、アジア太平洋地域テスト機器事業本部をシンガポールに設けている。ファンドリー・ビジネスをターゲットにテスト機器の売り込みを図る同社は、1995年にアジア・マーケッティング担当のJeff Fenice取締役のベースを韓国からシンガポールに移した。同社のファンドリー・ビジネスの中心は台湾とシンガポールに位置し、メモリ・チップ・ビジネスは韓国に集中している。
Schlumbergerはまたアジア太平洋地域に新たな製造/エンジニアリング拠点を設けることを検討している。チップの契約請負業者が、アジアにおける同社の検査機器ビジネスの約80%に貢献している。このため同社はアジア顧客向けに多少の調整を加えるだけで、異なるタイプのチップを検査できる一連の検査機器も開発した。
SchlumbergerのFenice氏はアジア経済危機で来年以降の見通しは不透明だが、1998年に関しては極めて良好で、楽観的見通しを抱いていると語った。
アジアで同様の検査機器の販売を手がけるHP社は、またアプリケーション開発センターをシンガポールと米国に開設している。
シンガポールのセンターは新機器のためのアプリケーションを開発するとともに、顧客が既存システムをHP社製システムに転換するのを支援している。同センターは他のアジア諸国のセールス/サポート・オフィスを補完し、中国におけるHP社の活動に直接協力している。目下シンガポール・センターのスタッフは20人前後だが、来年は新たに10人が追加される。チップ機器市場は、今年世界的に12%の萎縮が見込まれているにも関わらず、HP社も今年のビジネスには楽観的だ。
Schlumbergerはシンガポールでは政府系のSTアセンブリー・テスト・サービシズやチャータード・セミコンダクター(Stats)、Tritechのためにサービスを提供している。
世界的に130台の据え付け顧客ベースを有するHP社も内11台をStatsに納入している。シンガポール市場の30%のシェアを握っていると自称するSchlumbergerのFenice氏によれば、シンガポールはウエハー・ファブリケーション・ビジネスのノンメモリ・チップ領域では世界第2位にランクされると言う。(BT:5/25)
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