1998-05-25 ArtNo.15039
◆<星>スハルト退陣の主因は経済政策の失敗:上級相
【ロンドン】シンガポールのリー・クンユー上級相は木曜放送されたBBCのインタビュー番組の中で経済的失敗がインドネシアのスハルト大統領退陣の主因との考えを示した。
BBCからスハルト大統領の退陣はピープルズ・パワーによるものか、それとも経済危機が主因と考えるかとの質問に対してリー氏は、「今回の事件は、ローカル通貨の安定、経済の持続的成長、低失業率、国民生活の安定が(政権維持の)鍵になることを教えている」と指摘した。
民主改革の不徹底が東南アジアの経済危機を招来したとは考えないかとの質問に、リー氏は、「米国方式に追随し、西側マスコミから民主国家と評価されているフィリピンは過去10年国際通貨基金(IMF)の監督から一歩も抜け出すことができない状況にある」と前置きした上、「少なくとも過去2回の選挙は自由な制度下に行われたにも関わらず、インドネシア、タイ、韓国が、経済危機を招いたのは、これらの国の金融システムが完全ではなかったためである」と語った。
またアジア的価値観が経済後退の原因ではないかとの質問に対しては、「儒教的価値観、つまり朋友/家族の相互扶助が軽視されたことが経済的後退の一因になった」と指摘した。リー氏によれば、国民はそれ自身の財力に応じてこの種の義務を果たさねばならず、公職にあるものが、その地位や公金を利用してこの種の義務を果たすなら、汚職を蔓延させることになると言う。(ST,BT,LZ:5/23)
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