1998-05-25 ArtNo.15037
◆<星>タマセク、ナットスチールのブラジル製鉄所権益買収支援
【シンガポール】政府投資会社タマセク・ホールディングズは1億1840万Sドルを投じて、ナットスチールのブラジル製鉄所権益買収計画に参加するとともに、ナットスチールの8.96%の新株も引き受ける。
ナットスチールが22日発表したところによれば、タマセクは4020万レアール(S$6140万)で、ナットスチールに率いられるコンソーシアムの20%の権益を買収する。同コンソーシアムはブラジルの製鉄会社Aco Minas Gerais SAの30%の権益を買収する。
タマセクはまたナットスチールの新株2930万株(増資後の8.96%)を1株1.97Sドル(22日の終値)、総額5700万Sドルで買収する。ナットスチールはこれにより、その借り入れ負担を軽減できる。ナットスーチールの1997年12月31日現在の負債は9億3000万Sドルにのぼる。
昨年8月に発表されたところによれば、ナットスチールとブラジルのGerdau Steel Groupがそれぞれ50%出資するコンソーシアムは、2億100万レアール(S$3.07億)でAco Minasの30%の権益を買収する。したがってナットスチールの負担額は1億5350万Sドル相当となる。
ナットスチールによると、アジア経済危機でパートナーを見出すのが極めて困難になったため、買収計画から手を引くこともオプションとして検討されたが、それは戦略的投資機会を逸することを意味する。こうした中で豊富な財源を有するタマセクが理想的パートナーとして浮上した。
同権益買収後ナットスチールはAco Minasのスチール中間製品のアジア太平洋地域への輸出を一手に引き受けることが認められる。これによりナットスチールはスチール・ビジネスのリージョナル化、シンガポールを本部とするグループ化の目標に向けて大きな1歩を踏み出すことができると言う。(ST,BT,LZ:5/23)
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