SEAnews 1998-05-22 ArtNo.15008

【シンガポール】シンガポール政府は中央積立基金(CPF)公認ユニット・トラストに関わる規則をほとんど全面的に緩和した。
リー・ブンヤン労相が20日明らかにしたところによると、規制緩和の目的はファンド・マネージメント産業を振興するとともに、より多くの投資対象をＣＰＦ会員に提供することにある。
新ガイドラインは、1）ＣＰＦ会員に有能なファンド・マネージャーや投資商品の幅広い選択の余地を提供する方式を確立する、2）ファンド・マネージャーがより柔軟にポートフォリオを開拓し、リスクを軽減できるよう、ＣＰＦユニット・トラストの投資ガイドラインに見直しを加える、3）ＣＰＦ会員に投資決定に関するより多くの情報を提供するため、開示基準を引き上げる...の3領域をカバーしている。
例えば非トラスティー・ストックに対する40％の投資上限、外貨建投資の50％の上限、海外投資額の上限、投資領域の制限等が撤廃、あるいは緩和される。その一方で、単一の投資領域への過度な集中、信用格付けされていない社債や未上場銘柄等のハイリスクな資産への投資が禁止される。新ガイドラインに基づくユニット・トラストは今年9月以降に売り出される見通しだ。
ちなみにＣＰＦ会員はこれまでに121億ＳドルのＣＰＦ積立金を投資のために引き出しているが、内ＣＰＦ公認ユニット・トラストに投資されたのは僅か1％の4億Ｓドルに過ぎなかった。しかし、昨年ＣＰＦ公認ユニット・トラスト・スキームに参加したＣＰＦ会員の90％は、ＣＰＦ口座に資金を寝かせて利子を稼いだ方がましだったと言う。(ST,BT,LZ:5/21)