1995-05-05 ArtNo.1497
◆<馬>証券アナリスト、金融引き締め措置予想
【クアラルンプル】マレーシア当局はインフレ抑制と過熱気味の景気を冷却させるため金利を引き上げ、一層の金融引き締め策を講じる見通しだ。
個人信用の拡大により今年下半期にはインフレ圧力が高まり、マレーシアの経常収支は更に悪化するものと見られ、こうした現象を防ぐには強力な引き締め策を講じる他ない。今年第3四半期までには、金融引き締めや金利引き上げの他、乗用車や住宅等の特定のホット・スポットに対する政策的措置が講じられる見通しだ。クロスビー証券は、第1四半期経済レポートの中で以上の見通しを明らかにしている。同レポートによると、3カ月もの銀行同業間金利は年初の5.7%から火曜には6.05%に上昇したが、年末までには7%以上にアップするものと見られる。過去数年間の経済ブームは賃金上昇と労働市場の逼迫を生じさせ、消費型インフレ圧力を高める結果を招いた。アナリストは今年のインフレは下半期に4%を突破、通年では昨年の3.7%から3.9%に上昇するものと予想している。昨年のマレーシアの経済成長率8.7%には民間消費が43.6%貢献しており、同貢献率は93年の22.4%から倍増している。民間消費の成長は昨年の7.9%から10.1%に加速するものと見られ、また完全就業状況から賃金上昇率も昨年の6.3%から今年は8%に達するものと予想される。こうした中でマレーシア経済は今年も8.8%の成長を遂げる潜在性を有するが、クロスビー証券は、政府が引き締め策により、7.7%前後に抑制するものと予想している。(BT,NST,MBT:5/4)
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