1998-05-12 ArtNo.14874
◆<星>台湾系セラミック・タイル会社の中国ビジネス急成長
【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場を原則的に認められた、中国拠点のセラミック・タイル・メーカーASAセラミックは、株式公開を通じて調達する予定の500万~1000万米ドルを、主に上海における1000万米ドルの第2工場建設資金に当てる計画だ。
台湾人ビジネスマンのChan ChunHsiung会長が1995年末にシンガポールに設立したASAセラミックは、上海拠点の子会社シャンハイ・フォーチュン社に90%出資、残りの10%は中国の国営企業シャンハイ・シータイが所有している。
1994年8月に上海のミンハン地区に最初の工場を設けて以来、ASAセラミックの年間営業額は1994年の230万米ドルから昨年の3510万米ドルに年率148%アップ、純益も1995年の380万米ドルから1997年の990万米ドルに年率61%の成長を見た。
ダニー・スー重役(MD)が8日語ったところによれば、今年初3ヶ月の営業額には、中級タイルに比べ10~15%割高なハイエンド・タイルが50~60%貢献していることから、利益率の向上も見込める。
第2工場が来年操業すると、同社の製造能力は2倍に拡大される。既存工場には5本の生産ラインが設けられ、年間400万平米のタイルが製造されている。ASAセラミックは、上海に第3工場を設けることも計画している。グループは北京や大連等の中国の主要16都市に37支店を展開、ディストリビューター及びディーラー1500社を傘下に有するが、さらに毎年5~10支店を中小都市に増設する方針だ。
ASAセラミックの自己資本は1800万米ドル、借り入れは600万米ドルで、他人資本比率は30%。株式公開後は、台湾人ビジネスマンの持ち分は67%、シンガポール・テクノロジーズ傘下のベンチャー・キャピタルVertexアジアの持ち分が13%となり、残りは一般投資家に所有される。
既存の1億2500万株の資本金の20~25%に相当する新株が公開され、内70~80%が機関投資家を対象に私募にかけられる。SESからは昨年11月に上場することが許可されたが、域内経済危機に伴う株式市況の低迷で見送られていた。(ST,BT,:5/9)
|