1998-05-08 ArtNo.14844
◆<星>米系半導体会社ICS、アジア売上の倍増予想
【シンガポール】ナスダック登録の米系集積回路(IC)メーカー、インテグレーテッド・サーキット・システムズ(ICS)は、アジアにおける売上が向こう2、3年間に2倍に拡大するものと予想、1999年までにシンガポールに2500万米ドルを追加投資する。
ICSのホク・タン重役(COO)が5日催された地域本部の開所式の席上語ったところによると、同社の主要顧客は米国/欧州市場向けの最終製品を製造しているため、短期的にはアジア経済危機の影響をそれほど受けない。しかし世界のPC(パソコン)販売が低迷すれば、同社の業績は間接的な影響を被る。
コラム・アイルに昨年8月にオープンした1万9000平方フィートの工場では、主にPCタイミング・デバイス用のICが四半期ベースで1200万ユニット以上製造されており、同生産量は2000万ユニット、年間ベースでは8000万ユニットまで拡大できる。PCタイミング・デバイス市場の50~60%のシェアを握る同社は、通信機器やPC周辺機器市場への進出を目指している。
ヘンリー・ボーリーン会長兼CEOによると、同社が地域本部を台湾からシンガポールに移した理由は最大のサプライヤーのチャータード・セミコンダクターがシンガポールを拠点にしている上、パッケージング/アセンブリー・サプライヤーも隣接するバタム島やフィリピンに存在するため。目下台湾はアジア太平洋地域同社売上の80%に貢献している。ちなみにアジア売上は昨年1億米ドルをマークした世界売上に25%貢献しており、同比率は2、3年で50%に達する見通しだ。
シンガポールには今年末までにフリークアンシー・タイミング・ジェネレーション・デバイスの研究開発(R&D)センターも設けられる。1999年までには、シンガポール工場のスタッフは現在の60人から100人に拡大される。これによりシンガポールは名実共にアジア地域のセンターとなり、製品設計能力も備えることになる。(ST:5/6,BT,LZ:5/7)
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