1998-05-08 ArtNo.14843
◆<星>政府の21世紀に向けた新ダウンタウン構想座礁
【シンガポール】シンガポール政府が21世紀に向けてマリーナ・サウスの埋め立て地に新ダウタウンを開発する計画の先陣として注目されたマリーナ・ブールバードの大型開発入札が6日、締め切られたが、1社も応札するものが無く、シンガポール不動産市場の低迷ぶりが改めて確認された。
政府が入札を募集した主要プロジェクトに応札者が無かったのは過去7年来初めてのこと。当該地に創出可能な160万平方フィートの床面積の大部分はオフィス・スペースになる見通しで、オフィス不動産価格が軟化している時だけに入札価格に注目が寄せられていた。こうした中で、某不動産アナリストは、「安値入札がなされるよりは、入札者がない方がまし」とコメントした。それによると、入札者がなければ、一体どんな値が付いたかと想像を巡らすだけだが、もし低価格の入札がなされれば、譬え都市再開発局(URA)が棄却しても、全てのオフィスの資産評価を下方修正せねばならなくなると言う。
いずれにしても、今回の結果は、デベロッパーには最早、これほどの規模のプロジェクトを手がける財政的ゆとりがないことを暗示しており、シンガポール証取(SES)の不動産銘柄はこの日、一斉に値を下げた。(ST,BT,LZ:6/7)
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