1998-05-05 ArtNo.14796
◆<星>IBM、新部門設けUS$7百億ニッチ・マーケット開発
【シンガポール】IBMコープは2000年までに700億米ドルに達すると見られるニッチ・マーケットの開発を目指して新設したビジネス・インテリジェンス(BI)ユニットのアジア・オフィスをシンガポールに開設した。
IBMは同時に100万米ドルを投じてBI顧客に支援サービスとコンサルタント・サービスを提供するASEANデータ・マネージメント・コンピテンシー・センター(DMCC)もシンガポールに設けた。
BIは、世界各国に展開する法人企業の膨大なデータを収集/管理/分析し、顧客の需要に応じてビジネス・ディシジョンに必要な情報をいつでもどこでも送り届けるハイエンドなニッチ・ビジネスで、調査会社パロアルト・マネージメント・グループによれば、その市場規模は現在の90億米ドル弱から2000年までに700億米ドルに達する見通しだ。
今年初めに、ニューヨークのサマーズにセールス・マーケッティング・スタッフ300人、コンサツタント/サービス・スタッフ1100人を擁し、全世界に展開するビジネス・パートナー125の支援も得た新BIユニットを設けたばかりのIBMは、既に同市場の26%のシェアを占め、NCRコープ、サン・マイクロシステムズ、ヒューレット・パッカード、ディジタル・イクウィップメント・コープ等とシェアを競っている。
シンガポール・オフィスにはアジア太平洋地域の顧客にBIソルーションを提供するチームが組織されており、AseanDMCC主任を務めるフワン・クオウェイ課長によると、世界各地にプールされたBIスタッフにアクセス可能なため、ASEAN地域の特殊な需要にも応じることができると言う。
サマーズ拠点のデータ管理製品国際市場担当チャールズ・チャン取締役によれば、アジア太平洋地域はこれから2000年までに同社BIビジネスの17%に貢献する見通しだ。IBMは顧客が真に必要とする総合的なエンド・ツー・エンドのソルーションを提供する。チャン氏は、「この種のサービスはIBMにしかできない」と胸を張る。当面は銀行、電気通信業界がターゲットで、今年末からは保険、小売り、ヘルスケア等の市場も開拓する。BIサービスには、S/390メインフレーム、RS/6000RISCサーバー、AS/400システム、Netfinity Windows NT Computer等のIBMプラットフォームが用いられる。
IBMは、以上のプログラムの一環としてOLAP(オン・ライン・アナリティカル・プロセッシング)Ver.3.1エンジンにより操作されるデータウェアハウジング/データマイニング・ソルーション新製品も発売した。IBMはまた、アーバー・ソフトウェア、ビジネス・オブジェクトSA、Cognos、Valityテクノロジー・インク等の技術もBIソルーションに取り込んでいる。(BT:5/4)
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