1998-05-02 ArtNo.14773
◆<馬>MISC、現金US$2.2億でKPBの海運ビジネス買収
【クアラルンプル】マレーシア・インターナショナル・シッピング・コーポレーション(MISC)はミズラン・マハティール氏に率いられるコンソーシアム・プルカパランBhd(KPB)の海運ビジネスを現金2億2000万米ドルで買収するとともに、3億1100万米ドルの債務も引き受けた。
MISC会長を兼ねるペトロナスのモハド・ハッサン・マリチャン社長は木曜(4/30)の記者会見の席上、取引はいずれの方面にもフェアなものとコメントした。ちなみにペトロナスは総理府に直属する国営会社で、ミズラン氏はマハティール首相の長男。このため今回の取引は、国営石油会社を通じて財政難に陥ったKPBを救済するものと噂されていた。
しかし、アナリストは同取引は純有形資産(NTA)をベースにしたもので、MISCの株主にとっては有利だが、のれん等の付帯価値は含まれておらず、最終的に同取引はKPBに3億Mドルほどの損失をもたらすと見ている。
中立のアドバイザー、チェース・マンハッタン・バンクはKPBの海運ビジネスの純有形資産を2億2400万~3億1300万米ドルと評価しており、取引価格は同下限も下回っている。
取引は以下の3部分からなっている。
1)パシフィック・ベイスン・バルク・シッピングLtdの船舶31隻:5500万米ドル。同船団はこれ以前には8000万米ドルと評価されていたもので、KPBは1996年にマネージメント会社も含めて合計2億3000万米ドルで買収した。マネージメント会社はこれ以前には1億5000万米ドルと評価されており、KPBは目下同マネージメント会社の買い手を物色している。
2)LNG会社2社の51%持分と船舶11隻:1億6500万米ドル。
3)LNGタンカー5隻:15億7500万米ドル。これはMISCが親会社のペトロナスから購入するもの。
KPBは海運ビジネスを手放した後、陸送/倉庫ビジネスに専心するものと見られている。(NST,ST,BT,LZ:5/1)
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