1998-04-28 ArtNo.14723
◆<星>STコンピューター、新社長の指揮下に海外市場開拓に本腰
【シンガポール】政府系複合企業シンガポール・テクノロジーズ・インダストリアル・コーポレーション(STIC)傘下のシンガポール証取(SES)上場会社、STコンピューター・システムズ・アンド・サービシズ(STCSS)は昨年9月に新社長兼CEOに就任したビクター・アン氏の指導下に、海外事業と高付加価値プロジェクトに一層力を入れる方針だ。
アン氏によると、STCSSは向こう5年間に年商10億Sドルを目指すとともに、年率25%以上の増益達成を目標にしている。目下のところ国内売上が3分の2、海外売上が3分の1を占めているが、海外売上の比率を2002-2003年までに3分の2に引き上げる。
現在最大の海外市場はマレーシアで、この他にはニュージーランド、中国、タイ、フィリピン、ブルネイ、オーストラリア、米国、欧州が含まれる。教育、ヘルスケア、スマート・カード領域をターゲットとしており、別に石油、製造業領域への進出も図っている。
マレーシアでは景気の後退で教育領域における情報技術(IT)の応用が加速される見通しだ。マレーシアや他の域内市場におけるエンタープライズ・リソース・プラニング(ERP)の成長の潜在性も大きい。マレーシアではこの他少なからぬ病院のソフト開発やヘルスケア情報システムに関する契約を獲得している。
同社の最大の収入源はシステム統合で全体の65%を占め、アウト・ソーシングが20%、残りはITコンサルティングとなっている。しかし5年後にはアウトソーシングが最大の40%、システム統合が35%、コンサルティングが25%を占める見通しだ。
ニュージーランドは同社のアウトソーシング・ビジネスの主要市場で、同業務は特にオーストラリアで急成長を遂げている。このためSTCSSは来年までに現地パートナーと提携し、オーストラリア市場の開拓に本腰を入れる。
中国では地元や多国籍企業のネットワーク、広帯域ネットワークの需要が高く、既にノーテルや広東郵政通信局の契約を獲得している。この他中国のERP市場の潜在性も大きい。
同社は既存ビジネスの海外市場開拓に力を入れ、オーストラリア、日本、インドネシアでは外国企業と提携する用意もある。
シンガポールではマルチメディア・ラーンニングに対する学校や組織の潜在需要が大きく、ネットワークやアウトソーシング市場も急成長している。
昨年の売上は15%増の3億7760万Sドル、純益は1380万Sドルで、今年は一桁成長が見込まれると言う。(BT:4/27)
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