SEAnews 1998-04-24 ArtNo.14678

【シンガポール】住宅開発局(HDB)アパートの中古市場における取引がここ数ヶ月活発化しているが、値上がりは生じていない。
ＨＤＢの報告によれば、昨年第4四半期に同局が受理したアパートの転売申請は1万507件と、第3四半期のそれを17％上回った。一部のエージェントは紙上広告の件数や潜在バイヤーからの問い合わせ状況から見て、今年第1四半期の中古ＨＤＢアパートの取引件数は1万3000ユニットに達したと推測する。
業界筋によると、ＨＤＢ住宅の二次市場価格が合理的水準まで下降したことが、買い気を誘ったものと見られる。今日の市場価格はほぼＨＤＢの評価価格に一致している。加えてＨＤＢがそのポリシーを転換、ＨＤＢ住宅の居住者がより大きいＨＤＢ住宅を二次市場で購入しても20～25％の再販税を徴収しなくなったこと、また初めて二次市場でＨＤＢ住宅を購入する者も、中央積立基金(CPF)の4万～5万Ｓドルの補助が受けられるようになったこと等が、少なからぬバイヤーに新築ＨＤＢ住宅の分配を待つよりも、二次市場で購入する道を選ばせたものと見られる。
エージェントらによると、取引の件数は増えたものの、中古ＨＤＢ住宅の価格はここ数ヶ月毎月2％ほど下降し続けている。例えばアンモーキオの4ルーム・フラットは6ヶ月前の29万Ｓドルから26万5000～27万Ｓドルに、ビシャンの4ルーム・フラットは1年前の40万Ｓドルから30万Ｓドルに、タンピニースの5ルーム・フラットも60万Ｓドルから42万Ｓドルに、それぞれ下降していると言う。(BT:4/23)