SEAnews 1998-04-23 ArtNo.14664

【シンガポール】米国の通信機器／情報システム会社モトローラは様々な機能を備えた新ページング・システムを積極的にアジアの通信会社に売り込んでいる。
これらの機能には、双方向ページング、ユザーの欲する時に必要な情報をページできるコンテント・ページング、ボイス・ページング、Ｅメールの送受信やインターネット・サーフ／ネット情報の取得も可能なページング、人と物／物と物を結ぶページングが含まれる。
例えば自動販売機の商品在庫レベルや故障をコントロール・センターが自動的にページして商品の補充や故障の修理を行うシステムが間もなく米国で実用化される。この他、家庭のガスや電気のメーターをペジャーによりチェックできるようになる。
モトローラ・アジア太平洋地域ページング・サブスクライバー部門のスブラト・バス市場開拓担当課長によると、向こう数ヶ月の間には域内の少なからぬ通信会社がこれらのサービス、取り分けコンテント・ページングを導入する見通しだ。
しかし観測筋によると、この種のシステムが市場に受け入れられるには、幾つかのハードルをクリアーする必要がある。その1つは新ターミナルの価格で、現在米国におけるボイス・ペジャーの価格は159米ドル、キーボードとスクリーン付きの双方向メッセージ・ペジャーのそれは330米ドル、これに引き替えシンガポールにおける携帯電話の価格は150Ｓドル以下となっている。
また米国における双方向ページングの周波数は900ＭＨｚだが、世界的に同周波数帯はＧＳＭセル式電話により占有されている。バス氏によると、モトローラも280ＭＨｚの周波数を使用する双方向ページング・システムの開発を図っているが、実用化は1999年半ば以降になると言う。
またページング・プロトコル“Flex”のデータ転送速度は6.4Kbps(ｷﾛ･ﾋﾞﾄ毎秒)だが、移動電話のそれは9.6－19.2Kbpsで、2001－2002年に普及する見通しの第3世代移動電話では0.383－2Mbps(ﾒｶﾞ･ﾋﾞｯﾄ毎秒)に達すると言う。(BT:4/21)