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1998-04-20 ArtNo.14620
◆<馬>マレーシア航空の再編計画が副首相の試金石に?
【クアラルンプル】アナリストらは、マレーシア航空(MAS)の再編計画が、国内金融システムの当面の安定を維持するために、金融システムの透明度と信頼を犠牲にするか、透明度と信頼の再建のために金融システム崩壊のリスクを犯すかの二者択一をアンワル副首相に迫る試金石と見て、成り行きに注目している。
アナリストらによれば、MASの再編計画を認めるなら、MASのタジュディン・ラムリ会長はその8億Mドルにのぼる個人的債務を返済することができ、関係金融機関を安堵させることができる。マレーシアの企業界の少なからぬプレーヤーが、金融危機の中で債務返済に窮しており、その総額は4800億Mドルにのぼる。サイム・バンクが莫大な不良債務を抱え経営破綻に陥ったことから、他の金融機関も深刻な不安に取りつかれている。したがって銀行界のこうした恐怖を解除するのがアンワル副首相兼蔵相の主要な任務の1つと言える。
しかし、アンワル副首相は、過去数ヶ月ファンド・マネージャーや主要投資家に対して「企業家が財政破綻を回避するために、その債務を投資家に転嫁するような行為は認めない」、「全ての法人活動はこうした点から厳しく点検する」と重ねて約束してきた。アンワル副首相は、先週火曜、ニューヨークでファンド・マネージャーや機関投資家と個別会談した際も、この点を強調、マレーシア経済は最悪の事態を切り抜け、回復しつつあると重ねて保証した。
批評家らは、MASがその航空機をタジュディン氏が支配するMASキャピタルに簿価で売却した後、再リースすることを認めるにしても、MASキャピタルは、航空機の簿価(M$95億)と時価(M$140億)の差額を、テクノロジー・リソーシズ・インダストリーズ(TRI)やマレーシアン・ヘリコプター・サービシズ(MHS)のタジュディン氏持分などよりもっと有利な対象に投資できるはずと指摘する。(ST:4/18)
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