1998-04-14 ArtNo.14545
◆<馬>37歳のアウトサイダーがKL証券市場の自信回復
【クアラルンプル】クアラルンプル証券取引所(KLSE)が政治的圧力に屈し、トレーディング・ルールも変更して、市場の防衛に躍起となっていた7カ月前には、少なからぬ投資家が二度とKL証券市場に足を向けまいと誓いを立てたものだが、37歳のアウトサイダー、モハメド・アズラン・ハッシム氏がKLSEの舵取りを引き受けて以来103日、KL証券市場の面目は一新され、投資家も大挙市場に復帰しつつある。
アズラン氏がKLSEのトップに就任した1月1日以来、タイ証券指数と世界最悪のパフォーマンスを競ったKLSE総合指数は21%アップ、世界第26位のベスト・インデックスに返り咲いた。
投資家や証券業界の中に、ピート・マーウィックの会計監査官がKLSEの舵取りを引き受けると予想したものはなかったが、業界筋は証券業界に知人を持たぬアズラン氏の背景が、こうした奇跡を可能にした一因と観測している。クレジット・スイスのポートフォリオ・マネージャーは「経営不振の企業は破産させる他ない。如何なる救済措置も傷を深めるだけだ」と語る。アズラン氏は迅速に事を運び、投資家の信頼を回復せねばならなかったが、性急に過激な措置を採れば、市場を崩壊させる恐れもあった。
SocGenのアナリストは、「外国投資家の中にアズラン氏を知るものはなく、実際のところ知る必要もないが、透明なルールと、朝令暮改せぬことが肝要」と指摘した。
政府の金融サービス・グループを率いた経歴を有するアズラン氏は、証券市場の改革を誓う大蔵省によりKLSEのトップに抜擢された。業界観測筋は、アズラン氏の成功の鍵は、脅威も依怙ひいきもない透明なルールを確立し、平等な市場環境を醸成したことと指摘した。(BT:4/13)
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