1998-04-14 ArtNo.14539
◆<星>IBM、アジア経済危機にも関わらず記憶装置ビジネス拡張
【シンガポール】アジア市場が依然として経済危機から抜け出せないにも関わらず、IBMの記憶装置部門(SSD)は意欲的な事業の拡張を図っている。
IBMハード・ディスク・ドライブ(HDD)マーケッティング/セールス部門のDavid Ernsbeger副社長によると、同社の記憶装置部門は中国、韓国、日本、シンガポールにおける事業拡張を続けており、これらの市場における同社製品に対する需要は堅調を保っている。
シンガポール工場は持続的な増産過程にあり、中国では事業拡張に3000万米ドルが追加投資される。タイでは第2の製造施設が設けられ、製造能力は2倍に拡大された。フィリピンではNECとの提携が強化され、またサーバー製品の出荷が公式に開始される。
SSDの出荷は、1993~97年の間にユニット・ベースで年率50%拡大、相手先製造業者(OEM)事業収入は同期に年率約70%の成長を遂げた。
昨年、HDD産業の成長は鈍化したが、これは主にデスクトップ領域におけるもので、それも価格が下降したまでで、ユニット・ベースではそれほどの鈍化は見られなかった。HDD業界は過去1年間に価格で16%、ユニット数で20%の成長を見ている。
SSDは高性能、高マージン領域に照準を合わせており、クアンタム、ウェスタン・デジタル、富士通との競争はあるものの、サーバー市場の見通しは明るい。SSDはこの他、モービル、大容量デスクトップ、ワークステーション領域をターゲットにしており、ローコスト製品をベースにした業界ナンバー・ワンの座に関心はない。
パームトップ、ゲーム、デジタル・カメラ用の1インチ・フォーム・ファクターに依拠したドライブも1、2年内に実用化できる見通しだ。
ちなみに、SSDは米国以外では初のテクニカル・サポート・センターをカキブキ工場に近く併設すると言う。(BT:4/13)
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