1998-04-13 ArtNo.14524
◆<星>固定式と移動式通信のコンビネーションが趨勢に
【シンガポール】固定式電話網とワイヤレス・ネットワークを総合したサービスの提供が電気通信事業の今後の趨勢になるものと見られる。
ノキア・テレコミュニケーションズのMatti Alahuhta社長が最近シンガポールで語ったところによれば、ワイヤレス通信産業は急成長を遂げているが、データ通信需要の拡大に伴い固定式通信網の拡大も今後加速されるものと見られる。現状では一方の企業が固定式通信サービスに集中すれば、他方の企業は異動通信サービスに専心している。しかし総合サービスを提供しようとすれば、エンドユーザーには両方のネットワークへのアクセスを提供せねばならない。
固定式電話網における広帯域通信への移行はデータ通信により象徴されるが、移動電話網上における広帯域への移行は、第3世代のセル式電話技術により実現される。2001年に実用化される見通しの第3世代のセル式電話技術WCDMA(ワイドバンド・コード・ディビジョン・マルチプル・アクセス)ラジオ・テクノロジーはGSMネットワーク上におけるデータやビデオの高速転送を可能にする。ワイヤレス領域における転送速度はこれまでに毎秒9.6キロビットから100キロビットにアップしている。
一方、銅ケーブル網に依拠する伝統的電話会社は、ADSL(Asymetric Digital Subscriber Line)技術の導入によりキャパシティーの拡張を図るものと見られ、来年はADSLの商業利用のピークに達する見通しだ。ADSL技術のコストは依然として高いが、同コストは下降しており、間もなくオペレーターらによる大量導入が可能になるものと見られると言う。(BT:4/9)
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