1998-04-08 ArtNo.14479
◆<星>ソニー・マーケッティング、経済危機下の需要喚起が使命に
【シンガポール】ソニーの初の地域セールス・マーケッティング本部ソニー・マーケッティング・インターナショナル・シンガポール(SMIS)が先月、正式に操業を開始した。
ソニー・インターナショナルのカワキュー氏によると、アジアの消費用電子製品市場におけるマーケッティングを統括するSMISの最大の使命は、経済危機に抗してソニー製品に対する需要を創出すること。ソニーの1997年のASEAN売上は米ドル・ベースでは30%の落ち込みを見た。キー・マーケットの米国、欧州、日本の需要は依然旺盛だが、昨今のアジア・ビジネスの落ち込みを相殺するほどではない。
需要喚起の秘訣は斬新な新製品を絶えず市場に投入するとともに、アグレッシブな広告宣伝で、これをフォローすること。欧州/日本でヒットしたフラット・スクリーンのトリニトロン・テレビジョンが間もなくシンガポールで製造される他、ミニディスク、デジタルカメラ、Mavicaカメラがアジア市場にも紹介される。さらに専らアジア市場をターゲットにした商品の投入も検討している。
インターネット・エージに対応した新製品を計画しているかとの質問にカワキュー氏は、ソニーのプログラム・ソフトウェア、ミュージック等の資産をサテライト/デジタル・テクノロジーによりインターネットに乗せる可能性を示唆したが、具体的な計画は明らかにしなかった。
一方、今月からソニー・ロジスティクス・シンガポール(SLS)の経営を直接指揮することになったカワキュー氏によると、ソニーはサプライ・チェーンの管理が新製品による需要喚起同様重要なことを想起、目下基本に戻ってコスト削減に努めている。同方針を支える2戦略は、ソニーのトラックが直接サプライヤーの工場を回って部品を収集するミルク・ラン・オペレーションとその国際版のオーシャン・コンソリデーション・スキームで、これにより納期を40%短縮、ロジスティクス・コストも30%削減できると言う。(ST:4/6)
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