SEAnews 1998-04-01 ArtNo.14401

【シンガポール】シンガポールの通信機器小売り業界は、全面的市場開放を1年後に控え、移動電話会社間の競争の巻き添えになり、存亡の淵に立たされるのではないかと、不安を高めている。
モービルワン(M1)が昨年4月1日に市場に参入して以来、シングテル・モービルとの競争が過熱、両社系列のショップは新規契約者に、コストを30％下回る価格で、携帯電話セットを提供している。こうした状況の下では、一般の小売り店も同じ値段で販売せざるを得ず、携帯電話を1台販売するごとに、300～400Ｓドルのマージンが期待できた数年前と、天地の隔たりが生じている。
小売業者らは、更に2社が移動電話サービス市場に参入する2000年以降には、携帯電話を無料で提供するオペレーターも出るものと予想、そうなれば一般小売店は一掃される他ないと不安を表明している。
シンガポール電信局(TAS)は当初、移動電話会社の通信機器販売業者に対する価格補助を厳しく禁じると述べていたが、今ではこうした姿勢も軟化、移動電話会社が通信機器ディーラーにコミッションを提供、移動電話加入者のエントリー・コストを引き下げるのを大目に見ていると言う。(BT:3/31)