1998-03-31 ArtNo.14396
◆<印度>鉄鋼業界、ローコスト原料確保で新技術導入競う
【ニューデリー】国内鉄鋼業界はリセッションの中で、低コストな原料の安定供給を確保することが、最終的な生存の道と認識、それぞれ先端技術の導入を図っている。
Essarスチールは、これまでHBI(ホット・ブリケット・アイアン)とスクラップを電炉の原料として使用しきたが、Hazira工場に年産100万トンの高炉を設け、原料コストの引き下げを図る。
Jindal Vijayanagarはホット・メタルの製造にCorex法を用いるとともに、同製造過程で生じたガスを発電燃料として利用、コスト削減を目指している。同社は韓国浦項製鉄所の支援の下にCorexモジュール2000の試運転を今年から開始した。
Ispatインダストリーズは、高炉で生産した銑鉄とツイン・ハース炉で生産したHBIのコンビネーションにより、鉄鋼製品のコスト引き下げを試みている。
スチール・オーソリティー・オブ・インディアLtd(SAIL)とナショナル・ミネラル・デベロプメント・コーポレーション(NMDC)は、ロシアの支援下にRomeltプロセスを用いて銑鉄を製造する計画で、事業化調査の完了後、年産3万トンのプラントの建設が予定されている。
タタ・アイアン・スチール・コープ(TISCO)等、他の鉄鋼メーカーは依然として伝統的な高炉を利用しているが、いずれのメーカーも、低コストな鉄鋼原料を確保する方策を練っている。とは言え良質な鉄鉱石を産するインドでは直接還元鉄(DRI)方式が用いられる可能性は少なく、ロー・グレードの鉱石の処理については依然として高炉が有効と見られている。(IE:3/30)
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