SEAnews 1998-03-31 ArtNo.14386

【シンガポール】ディスク・ドライブ(HDD)メーカーの厳しい値下げ要求で、部品納入業者のマージンが大幅な下降を見ている。
ＨＤＤ価格の四半期ベースの値下がりは通常5％前後だが、昨年第2四半期以来10～20％の値下がりが続いている。こうした中で、今月初めにシーゲートとそのサプライヤーの価格交渉が行われた際には、3～30％の値下げが要求されており、これは四半期ベースで3～5％の通常の値下がり幅を大幅に上回っている。
納入業者の1人は、「メーカーの値下げ要求には、結局のところ応じる他ない。さもなければ、誰かに仕事を奪われるだけだ」と語る。また他の部品メーカーは「サプライヤーの中には赤字を覚悟で値下げに応じる者もあると見られ、そうなれば、他の者も打撃を受けざるを得ない」と懸念を表明した。某サプライヤーは「受注は手に余るほどだが、ノー・マージン」と嘆息した。
シーゲート、クアンタム、ウェスタン・デジタルの3月期業績も低調が見込まれることから、こうしたサプライヤーに対する圧力は今後さらに高まりそうだ。ディスク・メディア・メーカーのコマッグ・コープも先週水曜には四半期売上の55％減を予告した。
ハイエンド・ドライブ市場の回復でシーゲートのアンモーキオ工場が活気を回復したとの消息も伝えられているが、観測筋は業況が低迷するサマー・シーズンに向け、同工場の活況も長続きはしないものと見ている。
いつ市況が回復するかに関してサプライヤーの1人は、ＰＣ(ﾊﾟｿｺﾝ)メーカーが、ロー・コストＰＣの価格をどこまで下げるかが鍵と語った。ロー・コストＰＣの登場が、ＨＤＤ業界に深刻な脅威を及ぼしているが、一部のＰＣメーカーは今年末までに500米ドルを割り込む製品を市場に投入することを計画していると言われる。(BT:3/30)