1998-03-26 ArtNo.14327
◆<星>域内コンテナ処理量、今年はマイナス成長も:PSA会長
【シンガポール】域内港湾のコンテナ処理量は、通貨危機の影響で今年はマイナス成長に陥る可能性がある。
PSAコープのヨー・ニンホン会長が、24日催された国際海事展示会議“シンガポート98”及び国際バンカリング会議“Sibcon98”の開幕式の席上語ったところによると、PSAのコンテナ処理量は昨年9.1%の成長を見たが、今年に入って以来これまでの成長率は6%に鈍化している。
これに対してここ数年国際市場における資金調達が比較的容易だったことから、域内港湾の設備過剰が顕在化している。通貨危機の全面的な影響はまだ明らかでないが、既にアジアを拠点とする海運会社は製造業界の貨物輸送需要の減退で深刻な打撃を受けており、加えてコンテナを空のまま返送する必要から、打撃は倍化している。
海運/海事業界は90年代初期の設備過剰の打撃からまだ完全に立ち直っていないが、今日、設備能力の成長率が12%にのぼるのに対して、世界貿易の成長率が6%にとどまっているため、運賃の大幅な下降を招いている。例えば1997年の20フィート・コンテナのシンガポールから欧州向け輸送料金は1991年の3分の1に下降したと言う。
三井OSKの佐藤氏もこの日の会議の席上、現在の運賃では、海運会社の収益は望めないと指摘した。(BT,ST,LZ:3/25)
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