1998-03-24 ArtNo.14300
◆<馬>レノン子会社、J州タウンシップを半値でセール
【シンガポール】多額の負債を抱えた複合企業レノンBhd傘下のプロリンク・デベロプメントSdn Bhdは、キャッシュ・フローの逼迫を解消するため、大幅な値下げによりジョホール州におけるメガ・タウンシップ・プロジェクト、バンダル・ヌサジャヤの現金化を図っている。
バンダル・ヌサジャヤは9791haをカバーするマレーシア最大規模のタウンシップで、人口は最終的に50万人に達する見通しだ。
プロリンクはこれまでに1327haを販売しており、平方フィート当たりの平均売却価格は10.50だったが、今では平方フィート当たり5Mドルのオファーにも応じる意向とされる。
プロリンクは9億Mドルの対外債務を抱えており、レーティング・エージェンシー・マレーシアBhd(RAM)は、1998年6月期の同社の利子コストを1億7150万Mドルと見積もっている。プロリンクは流動性不足からリンクドゥアに対する3億2100万Mドルの返済期限を今年1月から2000年以降に繰り延べたとされる。
シンガポールとマレーシアを結ぶ第2リンクの開発業者リンクドゥアはユナイテッド・エンジニアズ・マレーシアBhd(UEM)の子会社で、UEMにはレノンが33%出資、またUEMはレノンの33%弱の権益を握っている。一方、プロリンクはレノンの64%子会社で、証券業界筋によると、レノンの1997年度税引き前利益に30%貢献している。
同タウンシップの625haの買収を予定するSPスティアBhdは目下、プロリンクと商談中で、当初の平方フィート当たり10.50Mドルの取引価格を少なくとも40%下回る価格で交渉がまとまる見通しとされる。
こうした中でRAMはプロリンクの収益見通しに疑問を投じている。関係取引契約では、成約時に10%、その後2年間に2度に当たり各10%が支払われ、4年目、したがって2000年以降に残りの70%が支払われることになっている。このため当初のスケジュール通りなら、1997年6月期に9540万Mドル、98年度に1億2510万Mドル、1999年度に1億4380万Mドル、2000年に4億1080万Mドル、2001年に6億3220万Mドルが支払われるはずだった。しかしこれらの契約額がいずれも見直されるなら、2000年の予想収益は大幅に縮小、プロリンクの純有形資産も下方修正されることになると言う。(BT:3/23)
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