SEAnews 1998-03-23 ArtNo.14281

【シンガポール】今年2月の国産非石油製品輸出は、米国及び欧州の電子製品需要に支えられ、前年同月比28.1％増の70億7000万Ｓドルをマークした。
シンガポールでは、国産非石油製品輸出額の約70％が電子製品で占められているが、2月には集積回路(IC)の輸出が22％、プリント基板(PCB)アセンブリーの輸出は31％の成長を見た。しかし国産ディスク・ドライブ輸出は1.4％の伸びにとどまった。
非石油製品の再輸出は、米国／欧州向け輸出の好調な伸びにより、マレーシア／タイ向け輸出の不振が相殺され、14.7％の成長を見た。
対米総輸出は33.8％増の20億5000万Ｓドル、欧州連合(EU)向けは20.8％増の14億2000万Ｓドルを記録した。
貿易開発局(TDB)によれば、2月の好調な輸出実績は、旧正月とハリラヤの祝日シーズンが1997年の2月から今年は1月にシフトしたことも影響している。このため年初2カ月を通じた数字を比較した方が、実際の貿易動向をより正確に把握できる。今年1月には0.9％のマイナス成長が記録され、国内景気の回復が失速したのではないかとアナリストらを危ぶませたが、1月と2月の実績を合わせた今年初2カ月の国産非石油製品輸出は、昨年同期比11.6％の成長を見た。
ＴＤＢによると、以上の数字は、向こう数カ月も成長基調が維持されることを示めしているが、成長速度はさらに鈍化するものと予想される。
アナリストらによると、昨年と今年の祝日シーズンのズレだけでなく、昨年2月の国産非石油製品輸出が不振だったこと（同年の月間平均70億Ｓドルを遙かに下回る55億Ｓドル)、加えて最近のシンガポール・ドルの軟化で、米ドル建ての貿易数字が膨張したことが、今年2月の見かけ上の高成長に結びついたが、シンガポール輸出産業の原動力とされる電子製品部門は、依然軟化基調を辿っていると言う。(ST,BT,LZ:3/21)